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インカの道を辿って その1 砦と謎の儀式

セクシーウーマン

を、思いきり英語っぽく発音してみてほしい。

セクシーウーマン、
サァクスゥイウーマン、
サクスァイウァマン、
サクサイワマン。

というわけで、サクサイワマン砦を含めたインカの遺跡ツアーに参加したので、感想を記す。

(他の参加者が「セクシーウーマンじゃなくてサクサイワマンよ」と言っていたので、思わず紹介。)

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ペルー、クスコの周辺にはインカ帝国時代の遺跡がいくつも残っている。

私が参加したのはクスコ近郊の遺跡をバスでめぐる半日ツアー。
ガイドのおじさんがスペイン語と英語で説明してくれる。

その日訪れたサクサイワマン、ケンコー、タンボマチャイ、プカ・プカラの四つの遺跡のうち、印象に残ったのはやはり、サクサイワマン砦であった。
何と言ってもピサロ率いるスペイン軍がクスコ侵攻前に一夜を明かし、その後もインカの抵抗の重要な舞台となった場所なのだ。

黄緑色の草と青空が清々しい景色の中、とんでもなく大きな石が、パズルのピースのようにピッタリとはめ込まれ、三層の砦となっている。

「見てみろ、あそこにインカのオーナメントがあるぞ。ピューマの手だ」

ガイドに促されて視線を向けると、そこには確かに動物の手。

クスコ自体もピューマの形を模していると、市内の博物館で知った。
それほど神聖な動物とみなされていたようだ。

スペインによるインカ帝国征服は、強力な武器を持つ強者が西洋の驕りと欲望にまかせて、発展途上の帝国を破壊した行為だと思っていた。
が、おそろしいまでに計算されたインカの石組みを見ると、強弱や優劣の問題ではなく、全く異質な文化と文化のぶつかり合いであったと感じる。

インカの一分の隙もない石の配列は、500年後に生きる私たちにも、その文化がいかに高度であったかを十分に見せつけていた。

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夕方、最後の遺跡プカ・プカラをざっと見学し日が落ちてきた頃、

「希望者だけ残ってくれ」

とガイドが言う。

何が始まるのかよくわからないが、円陣を組んでまるで降霊術か何かのよう。
面白そうなので参加することにする。

隣の人と手を重ね、肩が触れ合うくらいに円陣を狭める。
花の匂いの香水を、ガイドが参加者の手に撒いていく。

目を閉じ、精神を集中し、悪い記憶を外に出し……

ガイドが香水の香りを嗅がせ、それを合図に目を開ける。

さて、次は左右の手の中心を20回ずつ押す。
そして大きな石をなでるように腕と手を動かし、ゆっくりと、その目に見えない石をだんだん小さくしていく。

左右の手が合わさったところで、儀式が終わった。

で、その後ガイドのおじさんに

「どうだ、手の中心が熱くなっただろう? それがフィジカルなエナジーだ」

と言われたのだが、私は石をなでるような手の動きが女体をまさぐる痴漢のそれのように思え、

痴漢だ痴漢、ペルーまで来て痴漢の真似事あっはっは

などと考えてちっとも精神を集中できず、手の中心は冷えきっており、フィジカルなエナジーを得ることはできなかった。

結局何だったんだ、このエナジー儀式。

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以上がシティーツアーの概要であるが、もう一つ、聖なる谷ツアーにも参加したので、そちらも紹介したい。

自称セクシーウーマンの旅は続く。

インカの道を辿って  その1  砦と謎の儀式_b0369126_10291564.jpg

(サクサイワマン砦;真ん中にピューマの手。別の場所にはリャマの形も作られている)

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by red-travel | 2017-02-27 10:40 | アンデス地方(文化・歴史)
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