まずはカネの話から始める。
これはメキシコの500ペソ札であり、何を隠そう私は今メキシコにいる。 この札の表側に描かれているのがディエゴ・リベラ、裏側の女性はフリーダ・カーロ。 メキシコが世界に誇る、超大物画家カップルである。 この二人が結婚したのは、ディエゴ42歳、フリーダ22歳の1930年。 このオッサン、大の女好きでフリーダの妹にも手を出している。 こいつに比べりゃ日本の「ゲス」などかわいいもんだ。 ********** 私はナスカのマリア・ライへ同様、フリーダに関する本を読んで彼女に興味を持った。 『フリーダ・カーロ 引き裂かれた自画像』(堀尾真紀子、中公文庫)という本だが、これによって、フリーダの生涯やその作品だけでなく、当時の世界とメキシコの状況を知った。 が、どうしても腑に落ちなかったのは、なぜフリーダはディエゴ・リベラと結婚し、添い遂げたのかということだ。 後述するつもりだが、確かにディエゴはメキシコ絵画界の巨匠であり、壁画運動というものを率いた、実力・地位ともに申し分ない男である。 しかし、親子ほどの年の差があり、顔も体型もハンサムからは程遠く、何より女グセが悪すぎる。 フリーダは肉体的にハンデをかかえ、その分精神面で激しさを持つような女性であったが、そのアンバランスさと才能が魅力的だったのだろう、只者でない男たちからモテた。 メキシコに亡命していたロシアの革命家トロツキーとか、美形の彫刻家イサム・ ノグチとか、そうそうたる面々を虜にしているのだ。 そのフリーダが、一度は離婚したにもかかわらずまた復縁し、以後死ぬときまでこのオッサンと一緒にいるのだから、 こいつのどこがそんなにいいの? と思った。 余計なお世話だろうけど。 ********** 再婚にあたってフリーダは、 ・自分の作品の売り上げで自活する ・ディエゴは家計の半分だけを支払う ・性的な交わりを持たない と、いうのを条件にしたらしい。 私見であるが、これを噛み砕くと アンタがやったことはなかったことにはできないし、笑って許すなんてずえったい無理。 あー触られるのもヤダ、ワタシのプライドが許さない。 これからアンタに頼らず自分の力で生きていく。 なんか文句あんの? あんなら言ってみんしゃい! ということだと思う。 それでも互いが互いを必要としていたから復縁したのだろう。 ますます「なぜこの男じゃなきゃいけないのか」という疑問が深まる。 *********** 私はこの強烈なカップルが描いた絵を、自分の眼で見たい。 そして彼らが生きた20世紀初頭のメキシコ動乱期から、現代までのこの国を知りたい。 そしてついでに、フリーダがディエゴをそこまで必要とした理由みたいなものも、知ることができればと思い、 ……まあ、私の旅のパターンであるが、連日せっせと美術館通いをしているのであった。 (購入したポストカード。年の差あってもトヨエツならオッケーだけど、このオッサンはやだなあ……) にほんブログ村
by red-travel
| 2017-03-05 10:35
| メキシコ
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