人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ディエゴとフリーダ メキシコの伝説的夫婦

まずはカネの話から始める。

ディエゴとフリーダ  メキシコの伝説的夫婦_b0369126_10273462.jpg


これはメキシコの500ペソ札であり、何を隠そう私は今メキシコにいる。
この札の表側に描かれているのがディエゴ・リベラ、裏側の女性はフリーダ・カーロ。

メキシコが世界に誇る、超大物画家カップルである。

この二人が結婚したのは、ディエゴ42歳、フリーダ22歳の1930年。

このオッサン、大の女好きでフリーダの妹にも手を出している。
こいつに比べりゃ日本の「ゲス」などかわいいもんだ。

**********

私はナスカのマリア・ライへ同様、フリーダに関する本を読んで彼女に興味を持った。
『フリーダ・カーロ 引き裂かれた自画像』(堀尾真紀子、中公文庫)という本だが、これによって、フリーダの生涯やその作品だけでなく、当時の世界とメキシコの状況を知った。

が、どうしても腑に落ちなかったのは、なぜフリーダはディエゴ・リベラと結婚し、添い遂げたのかということだ。

後述するつもりだが、確かにディエゴはメキシコ絵画界の巨匠であり、壁画運動というものを率いた、実力・地位ともに申し分ない男である。
しかし、親子ほどの年の差があり、顔も体型もハンサムからは程遠く、何より女グセが悪すぎる。

フリーダは肉体的にハンデをかかえ、その分精神面で激しさを持つような女性であったが、そのアンバランスさと才能が魅力的だったのだろう、只者でない男たちからモテた。
メキシコに亡命していたロシアの革命家トロツキーとか、美形の彫刻家イサム・ ノグチとか、そうそうたる面々を虜にしているのだ。

そのフリーダが、一度は離婚したにもかかわらずまた復縁し、以後死ぬときまでこのオッサンと一緒にいるのだから、

こいつのどこがそんなにいいの?

と思った。
余計なお世話だろうけど。

**********

再婚にあたってフリーダは、

・自分の作品の売り上げで自活する
・ディエゴは家計の半分だけを支払う
・性的な交わりを持たない

と、いうのを条件にしたらしい。

私見であるが、これを噛み砕くと

アンタがやったことはなかったことにはできないし、笑って許すなんてずえったい無理。
あー触られるのもヤダ、ワタシのプライドが許さない。
これからアンタに頼らず自分の力で生きていく。
なんか文句あんの? あんなら言ってみんしゃい!

ということだと思う。

それでも互いが互いを必要としていたから復縁したのだろう。
ますます「なぜこの男じゃなきゃいけないのか」という疑問が深まる。

***********

私はこの強烈なカップルが描いた絵を、自分の眼で見たい。
そして彼らが生きた20世紀初頭のメキシコ動乱期から、現代までのこの国を知りたい。

そしてついでに、フリーダがディエゴをそこまで必要とした理由みたいなものも、知ることができればと思い、

……まあ、私の旅のパターンであるが、連日せっせと美術館通いをしているのであった。

ディエゴとフリーダ  メキシコの伝説的夫婦_b0369126_1031924.jpg

(購入したポストカード。年の差あってもトヨエツならオッケーだけど、このオッサンはやだなあ……)

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村
by red-travel | 2017-03-05 10:35 | メキシコ
<< メキシコ壁画運動 その1 ... 二つのキリスト教への旅 その... >>